虎の威を借る狐はそれぞれ何にたとえてるの?本来の意味や書き下し文と現代語訳もチェック!

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虎の威を借る狐

このことわざは人に対する皮肉や嫌味として使うことが多いですよね。

そのため誉め言葉でないというのは分かりますが、
正確にはどんな意味のある言葉なのでしょうか。

また、虎や狐はいったい、それぞれ何を何にたとえているのでしょうか。

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今回は、このことわざの元となった逸話について、
何を教訓にしているのか、意味や由来をまとめました。


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虎の威を借る狐の意味

虎の威を借りる狐のそもそもの意味は以下の通りです。

    虎の威を借る狐の意味

    権力や権勢を持っている人の力をかさに着て、さも偉いかのように威張る小物のこと。

本人が権力を持っているわけではないのに権力のある人に頼り、
威張り散らすような人物に対して使います。

あまり良い意味では使わず、不相応に威張る人に対して皮肉や嫌味で使うことが多いです。

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例文としては、

「社長である父親の名が出た途端、彼は虎の威を借りる狐のような態度で喋りだした」

のような使い方をします。

では次に、中国大陸の古典「戦国策(せんごくさく)」から、
この話の原文の書き下し文現代語訳をチェックしてみましょう。


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書き下し文

    虎百獣を求めて之を食らひ、狐を得たり。

    狐曰く、

    「子敢へて我を食らふこと無かれ。天帝我をして百獣に長たらしむ。
    今子我を食らはば、是れ天帝の命に逆らふなり。
    子我を以つて信ならずと為さば、吾子の為に先行せん。
    子我が後に随ひて観よ。百獣の我を見て、敢へて走らざらんや。」

    と。

    虎以つて然りと為す。

    故に遂に之と行く。

    獣之を見て皆走る。

    虎獣の己を畏れて走るを知らざるなり。

    以つて狐を畏ると為すなり。

現代語訳

    虎は獣たちを探し求めてはそれを食べ生きていました。ある日狐を捕まえました。
    捕まった狐はこう言い始めました。

    「あなたは決してわたしを食べてはいけません。
     なぜなら天の神がわたしを獣たちの王に任命しているからです。

     今あなたがわたしを食べるということは天の神の命に背くことになります。
     あなたがわたしのことを信じられないのであれば、わたしはあなたのために先に歩いてみましょう。

     あなたはわたしの後について獣たちの様子を見てみて下さい。
     獣たちの王である私を見てまわりの獣たちはどうして逃げないでいられることでしょうか。
     いや、きっと逃げるはずです」

    これを聞いて虎はもっともであると思いました。

    そこで狐に言われた通り、ついて歩くことにしました。

    獣たちはこれを見てみんな逃げだしました。

    虎は獣たちが自分を見て逃げていったことに気が付きませんでした。

    狐を恐れているのだと思いました。

    つまり虎に食べられそうになった狐は咄嗟に嘘をつき、
    自分を神に選ばれた獣たちの王だと言いました。

    その後、本当にまわりの獣たちが逃げていくので、
    虎は狐の話を信じてしまいましたが、
    本当は虎の力を借りていただけでした。

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この話はなにをたとえてるの?

さて、物語の意味は読めばわかりますが、
この話はいったいどんな状況で何にたとえているのでしょうか。

話自体は、虎と狐の物語ですが、実はそれだけではありません。

この話はもともと中国大陸の古典「戦国策(せんごくさく)」に載っているもの。

楚の国の王が臣下の人たちに質問し、
その答えの中でたとえ話として登場する話です。

つまり具体的な人物のたとえとして虎と狐を当て嵌めています。
では具体的に誰をたとえているのでしょうか。

・・・・・・・

楚の国の王は、自分の国の宰相である昭奚恤(しょうけいじゅつ)という男が
北方諸国にとても恐れられているという話を聞きました。

楚の国の王は、

「本当に恐れられているのか?」
「王である自分よりも恐れられているのか?」

と臣下たちに尋ねました。

そこで一人の臣下が虎と狐、獣たちの話を例に挙げて話し、

「北方諸国が昭奚恤を恐れているのはその背後に権力を持った王がいるからです」

と説明をしました。

つまり、ここでは、

  • が虎
  • 昭奚恤は狐
  • 北方諸国は獣たち
  • をたとえているのです。

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    まとめ

    今回は「虎の威を借りる狐」の意味や由来についてまとめました。

    このことわざは、会社や上司、親、兄弟などの権力を
    かさに着て威張るような人のこと指すときに使います。

    虎と狐の話がもとにあるのかと思いきや、実はそれもたとえ話なのです。

    本来は、実際には楚の国の王と、宰相である昭奚恤、北方諸国の関係性をあらわしていました。

    何気なく普段使っていることばでも、
    意外と深い由来や語源があるものですね。

    今回は以上です。
    ご参考になりましたら幸いです。
    (*゚ー゚*)ノ


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