「毒を食らわば皿まで」は悪い意味?類義語や英語での表現は?
よく小説や映画などで、
「毒を食らわば皿までだ!」
などと言います。
これって、どういう意味なのでしょうか。
「毒なんか食べちゃ駄目だし、お皿まで食べるなんてもっと駄目じゃん!」
とついつい思ってしまいますが、
どういった場合に使う表現なのでしょうか。
使い方としてはポジティブな意味なのでしょうか。
それとも悪い意味なのでしょうか。
と、いうことで!
今回はこのことわざの意味や使い方をまとめました。
類語や英語に直した場合の言い方もチェックしていきましょう!
「毒を食らわば皿まで」の意味
- 毒を食らわば皿までの意味
一度悪事に手を染めてしまったのだから、もうどこまでもそれに徹しようということのたとえ。
また、どうせここまでやったのなら最後までやり通そうという意味もある。
一度毒入りの料理を食べてしまったのだから、
もう死ぬことは決定してしまっています。
どうせなら毒を盛った皿まで舐めてしまっても同じことです。
このことから、一度悪事に手を出したのだから、
さらに罪を重ねたって同じことである。
という意味になりました。
多くの場合は悪いことをさらに重ねるような場合に使い、
居直るような意味合いがあります。
使い方と例文
- 「毒を食らわば皿までというし、どうせ窃盗で罪になるのなら居直り強盗になっても同じだろう」
「不法侵入する手引きをしてしまったのだから最期まで付き合うよ。毒を食らわば皿までともいうし」
このようなさらに大きな罪を重ねる場合や、
悪事を最後までやり通すという場合に使います。
あまり道徳的には良い言葉ではありませんが、
泥棒をテーマにしたアニメやスパイ映画などではよく出てくる言葉ですね。
由来
「毒を食らわば皿まで」
という言葉の由来や語源については実はよく分かっていません。
しかし、江戸時代の俳諧論書である毛吹草には
- 「どくくはゞさらねぶれ」
という一文が載っています。
また滝沢馬琴の小説である八犬伝にも、
- 「世の諺を引くにあらねど、毒を喰はゞ皿を舐れ」
という言葉があります。
このことからも、かなり昔から存在していた言葉なのは確かなようです。
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類義語について
では「毒を食らわば皿まで」と同じ意味で使われている類語を紹介していきましょう。
濡れぬ先こそ露をも厭え
身体が乾いているときは身体が濡れないように注意するものだけど、
一度濡れてしまえばもうどんなに露が付いても気にしなくなってしまう。
このことから、始めは躊躇した過ちでも、一度犯してしまうと
どうでもよくなりさらに酷いことを繰り返すようになる。
という意味になりました。
意味合いとしては「毒を食らわば皿まで」と似ていますが、
「濡れぬ先こそ露をも厭え」
は男女間系の過ちについて使うことが多いようです。
尾を踏まば頭まで
尻尾を踏んでしまったのだから頭まで踏んでしまっても同じことだ。
このことから、
一度してしまったのだからどこまでいっても同じ
という意味をあらわしています。
どうせなら最後までやり通そうという意味合いも強いですね。
英語での表現は?
さて、ここからは余談となりますが、
「毒を食らわば皿まで」
を英語に直すとどうなるのでしょうか。
- Now that you ate poison, you should finish the dish.
(毒を食べてしまったのだから皿まで舐めるべきだ)
日本語の表現をすべて詰め込むのであればこんな感じでしょうか。
しかし、ことわざ本来の持つ
「一度悪事に手を染めてしまったのだから、もうどこまでもそれに徹しよう」
という意味合いを知らないと混乱しそうです。
外国のことわざを調べているとこんなのが見つかりました。
- In for a penny, in for a pound.
(ペニーを手に入れる仕事を始めたからには、ポンドも手に入れなくてはならない)
外国では「毒を食らわば皿まで」をこんなふうにあらわしているんですね!
これならポジティブな意味でも使えそうですね。
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まとめ
今回は「毒を食らわば皿まで」の意味や使い方をまとめてみました。
一度悪事に手を染めたのだからもうどこまでもそれに徹しよう、
最期までやり通そう、という意味合いのことわざとなります。
同じ意味の類語もネガティブな意味合いで使うものが多かったですね。
しかし小説や映画などでは結構カッコ良い使い方をしている場合も多いです。
社会の悪に立ち向かうスパイの仲間たちが
「最後まで付き合うぜ!」
という意味で使ったりしています。
状況によっては味のある良いセリフにもなることもあるようですね。^^
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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