「豆腐に鎹」のかすがいの意味は?子は鎹とかいうよね
「豆腐に鎹。」
こんなことわざがありますよね。
豆腐のふにゃっとした感触が伝わってきそうですが、
この鎹(かすがい)って何なんなのでしょうか。
「鎹(かすがい)」を調べてみると、
「子は鎹」
などにも使われています。
鎹というのは現代ではあまり聞く言葉ではありませんよね。
どんなものを指しているのでしょうか。
と、いうことで!
今回はこのことわざの意味や使い方についてまとめました。
それではさっそくみていきましょう!
鎹(かすがい)について
まずは、鎹(かすがい)とはいったいなんなのでしょうか。
- 鎹(かすがい)の意味
釘の一種。
木材などの両端を繋ぎ合わせて外れないように接続するもの。
どうやら、何かを組み立てる時に使う部品の一つのようですね。
コの字型をした釘であり両端部分が尖っていて、その両端をそれぞれ別の木材や部品に刺すことで接続させます。
木材家屋の柱や外壁などに利用されることが多いのですが、あまり椅子や本棚の製作には用いないので専門でない人は目に入る機会は少ないかもしれません。
形状や仕組みとしては文房具のホッチキスと同じなので、コの字型のホッチキスの芯をイメージしてもらうと分かりやすいですね。
豆腐に鎹の意味
では、本編のことわざの方の意味についてみていきましょう。
- 豆腐に鎹の意味
何をしても効き目がまったくなく、手ごたえが感じられないことのたとえ。
やわらかい豆腐にかすがい(釘)を打ち込んでも何の手ごたえもありません。
そのことから何をしてもまったく手ごたえの感じられないようすなどをあらわすようになりました。
具体的にはどんなに意見をしても変わらないことや、どんなに注意をくり返しても改善されない人物などに対して、
「あいつには何をしても豆腐に鎹だ」
のように使います。
子は鎹ともいうよね
有名なことわざに、
「子は鎹」
というのもありますよ。
おそらくはこれも釘の鎹を意味しているのでしょうけれどどういう意味なのでしょうか。
- 子は鎹の意味
子供は夫婦の仲を繋ぎとめてくれるものだという意味のことわざ。
なるほど。
こちらも、「つなぎとめる」という意味で使われてるわけですね。
中の悪い夫婦であっても子供が間に居れば、自然と仲を取り持つことになるというところからきているようです。
つまり夫婦の中を繋ぎ止めてくれる子供という存在を、木材と木材を繋ぎ止めて接続する道具である鎹にたとえていることわざなんですね。
ちなみに「子は鎹」というのは落語の演目にもなっています。
ちょっとここで、ざっくりしたあらすじをみてみましょう。
落語の演目の「子は鎹」
大工の熊五郎は酒好きの酒乱でいつも女房のお光を困らせていました。
ある日酔っ払って帰ってきた熊五郎は散々お光に当り散らし、女郎ののろけ話まで始めます。
ついに堪忍袋の緒が切れたお光は、一人息子の亀を連れて家を出ていってしまいました。
独り身になってしまった熊五郎は心を入れ替えて仕事に励んでいましたが、三年後成長した亀に出逢います。
亀を通じで熊五郎が心を入れ替えたことを知ったお光は熊五郎に会いにいき、三人は再び一緒に暮らすことになりました。
子供である亀が夫婦の鎹になったという人情噺なんですね。
「子別れ」という名の方が有名なのでそちらで知っている方が多いかもしれません。
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豆腐に鎹の類語について
では「豆腐に鎹」と同じ意味で使われている類語をみてみましょう。
暖簾に腕押し
何の張り合いも手ごたえもないことのたとえ。
暖簾にいくら腕を押してもふにゃふにゃして手ごたえがないですよね。
豆腐に釘を刺すぐにゃっとした手ごたえのなさと共通するものがあります。
糠に釘
やわらかい糠に釘を打つような何の効き目も手ごたえもないことをあらわしています。
鎹も釘の一種なので「豆腐に鎹」と「糠に釘」は似ていますね!
さっぱり手ごたえのないことを意味しています。
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まとめ
今回は「豆腐に鎹」の意味や使い方を紹介しました。
何をしても効き目がなく手ごたえのないようすを意味していました!
何度注意しても聞いてくれない、聞く耳を持たない人に対して使うことが多く、手ごたえのなさ、やり甲斐のなさをあらわしていることわざですね。
確かに注意する側としてはせっかく意見をしているのだから確かな手ごたえというものが欲しいですよね。
あまりにも人の意見を聞き流したり、耳を傾けていないと「豆腐に鎹」とか「糠に釘」って言われちゃうかもしれません。
できれば豆腐にではなくて、いろいろなものをつなぎとめる立派な鎹(かすがい)となりたいものですね。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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