年寄りの冷や水はどこの水?意味や由来、使い方について
「年寄りの冷や水。」
お年寄りが無理などをすると、
こんな言い方をされてしまう場合があります。
冷や水だなんて心臓がびっくりしちゃいそうなことわざですよね。
しかし、
「年寄りの冷や水」というのはお年寄りが冷や水をあびるという意味なのでしょうか。
それとも冷や水を飲むという意味なのでしょうか。
どんな由来や語源があるのでしょうか。
ことわざの成り立ちが気になるところです。
と、いうことで!
今回はこのことわざの意味や使い方についてまとめました。
使いどころや、詳しい意味合いもチェックしていきましょう。
年寄りの冷や水の意味
まずは、基本的な意味からみてみましょう。
- 年寄りの冷や水の意味
老人が年齢に相応しくない危険な行動や無理をすること、出すぎた振る舞いのこと。
お年寄りが若者のように振る舞って無理をしたり、年齢も考えずに行動して身体を壊したり怪我をするような場合に使います。
自虐として使ったり、無理をするお年寄りをたしなめるような場合に多く使うようですね。
由来について
「年寄りの冷や水」なんて聞くと、お年寄りが無理をして冷たい水で水浴びをしているような光景が目に浮かびます。
しかし、実はこのことわざはそういった意味ではありません。
「年寄りの冷や水」に出てくる「冷や水」というのはただの水ではなく隅田川の川水を指しているのです。
昔は現在のように水の供給設備が発達していなかったので飲める水を探すだけでも一苦労でした。
特に江戸の町は海に近いので井戸にも海水が入り込んだりして、なかなか飲料に適した水が手に入りません。
そこで水売りという商売が生まれ、飲料に適した水を販売していたのですが、江戸の町の水売りは隅田川の水を汲んで売ることも多かったのです。
隅田川というのは生活排水もまじっているのであまり綺麗な水とは言い難いのですが
「隅田川であっても真ん中あたりの水は綺麗だ」
という理由で水売りたちは隅田川の水を汲み
「冷や水やぁ、冷や水やぁ~」
と声をかけ売り歩いていたんです。
これが「冷や水」の語源ですね。
しかし、
やはり隅田川の水というのは綺麗ではないので若者はともかく、身体の弱いお年寄りなどが口にするとお腹を壊してしまうことも多かったようです。
このことから若者向きの冷や水をお年寄りが飲むなんて、年齢に相応しくない行動だ、と言われるようになり、
「年寄りの冷や水」
という言葉になりました。
冷や水というのはあびる水ではなく、
飲む水をあらわしていたのです。
都内の川の水を飲むなんて…。
いまでは考えられませんね。
(^^;
使い方
では実際に「年寄りの冷や水」の使い方についてみていきましょう。
「お爺ちゃんには無理だと言っているのに、無理にマラソンに参加して結果足を悪くするなんて、年寄りの冷や水もいいところだ」
「今年で70歳の私がいまさら運動サークルに参加するなんて、年寄りの冷や水と呆れられていなければいいのだけど」
例文「1」のように自分の身内であるお年寄りをたしなめたり、呆れたりするような場合にも使いますし、
例文「2」のように自らを年よりとして、自虐したり謙遜したりする場合にもよく使います。
身内でもない他人が面と向かって「年寄りの冷や水ですね」という言い方は失礼にあたるので、あまり言わないようにしましょう。
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類語のついて
ここでは「年寄りの冷や水」と同じ意味で使われている類語をみてみましょう。
老いの木登り
年寄りに似合わぬ無理をすることを冷やかした言葉であり、無理をするべきでないという戒めの意味もあります。
お年寄りが木登りをするような年齢に相応しくないことは止めるべきだ、といっています。
年齢に合わないことはするべきでない、という意味合いは「年寄りの冷や水」と共通していますね。
年寄りの力自慢
年寄りが年齢に相応しくない出すぎた真似をすることを言います。
また、身の竹の合わないことをするとしっぺ返しがくるという意味もあります。
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まとめ
今回は「年寄りの冷や水」の意味や使い方について紹介しました。
お年寄りが年齢に相応しくない危険な真似や出すぎた振る舞いをすることを言います。
突然冷や水をあびるような無理をすると身体によくない、という意味だと思われていますが、実は冷や水というのは水売りが売っていた飲料水のこと。
隅田川の水のことを指していたのでした!
確かに現在でも隅田川の水を飲むのはちょっと・・・
という感じですよね。
一時よりは綺麗になったとはいえ、若者だってお腹を壊しそうで怖いです。
それを考えると昔の人って凄いなって思っちゃいますね。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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