手紙で使う「かしこ」の意味!男性が使ってもOK?位置や使い方は?
メールやLINEが主流の今、
「かしこ」
という言葉が忘れられつつあります。
しかしこの上品な手紙の締めくくりの言葉、
ビジネス社会においてはまだまだ重要な言葉であると考えられます。
現在ではビジネスの現場でもメールやLINEが主流のところもありますが、
まだまだ年賀状や暑中見舞いを出す会社も少なくありません。
「かしこ」ということば。
すでになんのことかわからないという人も多いのではないでしょうか。
「それは『カキコ』」
「ああ、絹とか作るヤツね」
「それは『蚕(カイコ)』」
っと。
ボケるのもほどほどにして、
この「かしこ」についてみていきましょう。
手紙で使う「かしこ」の意味
広辞苑によると最初に以下のような意味であるとあります。
- 「おそれおおいこと、慎むべきこと」
つまりこれを手紙に書くということは、
相手を敬うことの最上級の表現だと感じますね。
例えば対人で話す場合に、自分より年上の人や上司、または地位のある方などと話した後に、深々と頭を下げると思います。
この行為を手紙で表現した場合が「かしこ」のイメージに近くなります。
話している最中にも非礼があったのではないか、正しくない表現があったのではないかなど、上の人と話すとそんなことが心配になるときがあります。
そんな時にこの「かしこ」が、
- 「恐れ多いことを申しました。どうか非礼をお許しください。」
と代弁している印象を与えます。
広辞苑では4番目に「手紙の末尾に書く語」と出てきます。
これらの意味があるので手紙の末尾に書くんですよと広辞苑に言われている感じがしますね。
男性が使ってもOK?
この「かしこ」、普通は男性は使いませんよね。
辞典やネットで調べても必ず「女性」と書いてあります。
・・・・・・・
古くは平安時代中期。
このころにひらがなが使われ始めます。
そこで男性達は「~候(そうろう)」という文を書くようになりました。
後に候文と呼ばれるようになります。
これに対して女性はひらがなが多めの柔らかいタッチの文を書くようになりました。
そして締めくくりにひらがなで
「かしこ」
と敬意を表わす言葉を書くようになったのです。
これと逆に男性は、男らしさの象徴のように漢字が多めの文を書き、
最後に「恐惶謹言」という言葉で最後を締めくくりました。
「恐惶謹言」
そんなの読めねぇよ!
と突っ込まれそうですが、
これは「きょうこうきんげん」と読みます。
意味は「かしこ」とほぼ一緒で「おそれながら謹んで申し上げる」です。
当時の男性は好んでこの「恐惶謹言」を使いました。
つまり、
「かしこ」が女性言葉。
という風に分けられていますので、
男性は「かしこ」は使わないということになります。
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どうやって使えばいい?
手紙の書き方には頭語に「拝啓」とか「謹啓」「前略」などがありますが、
「かしこ」はどの頭語と組み合わせてもいいとされています。
頭語に対する言葉を結語といい、
「かしこ」は結語に当たります。
通常は頭語と結語の組み合わせで使いますが、
この「かしこ」は頭語がなくても使用できるのです。
ということで、次に「かしこ」を使った
例文をみてみましょう。
ご無沙汰しております。
長雨の季節になりましたが、○○様はいかがお過ごしでしょうか。
━中略━
天候不順の折、何卒ご自愛ください。
かしこ
平成29年6月29日
自分の名前
○○ △△様
このような使い方でもいいということです。
本来は頭語→前文→主文→末文→結語→後付が基本となりますので、作法を重んじられる方がお相手の場合はきちんと頭語もつけるようにしましょう。
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まとめ
「かしこ」という言葉、丁寧な上に使い勝手もよくて、女性にとっては便利な言葉です。
当然ビジネスの場においても、手紙を出す際に使うことができます。
この美しい大和言葉、「かしこ」がひらがなという時点で女性らしさを感じますし、手紙を出された方がどんな感じでこの手紙を書かれたのかが目に浮かぶようです。
英語では決してこのような表現はありません。
身に美しいと書いて躾(しつけ)という漢字になります。
いろんなことが簡略化されてきている現代において、自分の身に美しい作法を覚えるということが必要な時代になってきたのではないでしょうか。
かしこ。
おっと。
私は男でした
恐惶謹言。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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