「玉に瑕」の意味とは?傷とは違うの?由来や使い方も
「玉に瑕(キズ)」
人の欠点などを指して、こんな言い方をすることがあります。
「他は完璧なのに~」
というニュアンスは伝わってきますが、
なぜ「玉に瑕」と言うのでしょうか。
「キズが付く」
という場合、普通は「傷」の方の漢字を使いますよね。
「瑕」の方を使っているというのは、何か意味や、
言葉の元になった由来が関係しているのでしょうか。
と、いうこで!
今回はこのことわざの意味や使い方についてまとめました。
由来や語源、使い方などを紹介していくので、
この機会に豆知識を蓄えてしまいましょう!(笑)
玉に瑕の意味
まずは、基本的な意味からチェックしていきましょう。
- 玉に瑕の意味
ほとんど完全に近いものなのに、わずかな欠点があること。
またその欠点のこと。
「玉に瑕」はこれなえなければ完璧なのに、という過失や欠点、またはその欠点部分をあらわしています。
たくさん欠点がある場合ではなく、惜しいことに、ほんの少しのマイナス、という場合に使われます。
瑕と傷の違いについて
普通「キズ」という場合は「傷」の方の漢字を使いますよね。
傷と瑕の違いはどこにあるのでしょうか。
まず辞書で調べてみると、傷の方は、
- 切ったり打ったりして、皮膚や肉を損ずること。
けが。けがをした部分。その跡のこと。
と、あります。
一方、瑕の方は、
- 物がこわれ損じた所。
また広く不完全な所。欠点のこと。
と、あります。
「傷」というのは人間や動物なの怪我や、そのキズ痕をあらわす際に使い、
「瑕」というのは器物の損傷や、名誉、性格的欠点をあらわす際に使われます。
「傷」は常用漢字で「瑕」は常用漢字ではないようですね。
汎用性としては「傷」の方が高いです。
用法などを見てみると、
「経歴に瑕がつく」
などの場合に「瑕」を使うようなので、「瑕」を使うのは特殊な場合ですね。
それ以外は普通の「傷」の方の漢字を使います。
由来と語源
次に、玉に瑕の由来や語源をみてみましょう。
「玉に瑕」の「玉」というのは宝石をあらわしています。
つまり「玉に瑕」というのは、その宝石の表面にできてしまった細かいキズ、という意味なのです。
(^-^)h
てっきり、目に見て分かる亀裂やひっかき傷のような「傷」をイメージしてしまいますよね。
せっかくの美しい宝石なのに表面にキズができてしまった。
それさえなければ完璧に美しい宝石なのに・・・。
このことから転じて、それさえなければ完全であるのに、ほんのわずかな欠点があることを意味するようになりました。
これは中国の思想書である「論衡(ろんこう)」や「淮南子(えなんじ)」などに出典のある言葉が由来になっています。
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使い方について
では実際に「玉に瑕」の使い方についてみてみましょう。
分かりやすく例文を交えて紹介していきますね。
「彼は公私ともに出来た人ではあるが、酒癖が悪いのが玉に瑕だ」
「彼女は非の打ち所のない絶世の美女だが、鼻の下にあるホクロが玉に瑕である」
「美味しいものがたくさん食べられるのは有難いが、夜に講演会があるのが玉に瑕だ」
多くの場合は①のように人の性格や悪癖などに対して、
「他は完璧なのにここだけが・・・」
というように使います。
また、「例文2」のように容姿や、見た目のポイントの一カ所だけを指して使う場合もあります。
さらには、「例文3」のように人に対してではなく、自分の感想として
「このイベントだけが嫌だなあ」
という場合にも使われたりします。
小説などでも多く使われている言葉ですよね。
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まとめ
今回は「玉に瑕」の意味や使い方について紹介しました。
宝石の表面についてしまったキズのように、ほとんど完全に近いものなのにわずかな欠点があることを意味していました。
「傷」と「瑕」の違いはややこしいですね~。
多くの場合は「傷」を使いますが、
たまに小説や映画のタイトルなどで出てきます。
香港映画「楽園の瑕」とか推理小説「陰摩羅鬼の瑕」などが有名です。
器物に対する損傷や、人の名誉などに対して使いますが、作品のタイトルに使われているので、ちょっと文学的な香りもしますよね。
結婚指輪なども、長年薬指にしていると、
当初の輝きを失い、少しくすんで来たりします。
これは、目に見えるような「傷」はないけれど、
細かい「瑕」によって光が反射しにくくなっているということですね。
どんなに堅い物質でも「瑕」はついていくものですが、
二人の関係はより堅くキズけてればいいな、
なんて。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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