虎穴に入らずんば虎子を得ずの意味とは?四字熟語にするとどうなる?故事も紹介!
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
よく聞くことわざですよね。
虎の住み家に入らなければ虎の子を得られない。
こういった意味なのは分かりますが、
「なぜに虎子?」
って改めて考えると、
ちょっと不思議ですよね。
具体的にはどういう場合に使う言葉なのでしょうか。
何か由来となった元の話があるのでしょうか。
虎というと、やっぱり中国っぽいですよね。
てことは、四字熟語なども存在するのでしょうか。
と、いうことで!
今回はこのことわざの意味や使い方、
元になった故事などをみていきましょう。
目次
虎穴に入らずんば虎子を得ずの意味
まずは、基本的な意味からみていきましょう。
- 虎穴に入らずんば虎子を得ずの意味
危険を避けていては、大きな成功は有り得ないということのたとえ。
うん。
そのまんまですね。
虎というのは鋭い牙と爪を持つ獰猛な動物です。
そんな虎の住み家に入るのは大きな危険を伴います。
しかし危険だからといって虎の住み家を避けていては虎の子を得ることはできません。
このことから転じて、危険な場所を避けていては成功を手にすることはできないという言葉になりました。
ただ、ここでちょっと疑問が…。
「虎の子ってそんなに価値があったっけ?」
「他の動物でも良くない?」
とちょっと思いません?
・・・・・・・
実は虎というのはとても子供を大切に育てることで知られています。
動物の中には出産をしたら後はもう放ったらかしにしたり、他の動物に飼育を任せてしまう種族もいます。
しかし、虎を含める猫科の動物というのは母親がぴったり子供に付いていて、他のオスや違う種の動物が近付くと物凄い声で威嚇します。
とにかく子供を慈しんで育てるので、このことから「虎の子」という言葉が宝や大切なものをあらわすようになりました。
つまり「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は、
という意味もあるのです。
ちなみに「虎子」は「虎児」と書くこともありますよ。
由来について
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
というのは中国の故事が由来になっています。
中国後漢朝について書かれた歴史書である、
後漢書
にその一文が載っています。
ではその漢文と書き下し文、現代語訳を見ていきましょう。
漢文
- 不入虎穴、不得虎子。
當今之計、獨有因夜以火攻虜、使彼不知我多少、必大震怖、可殄盡也。
滅此虜、則鄯善破膽、功成事立矣。
書き下し文
虎穴に入らずんば、虎子を得ず。
当今の計、独だ夜に因りて火を以て虜を攻むること有るのみ、彼をして我の多少なるを知らざらしむれば、必ず大いに震怖し、殄盡すべし。
此の虜を滅すれば、即ち鄯善破膽し、功成り事立たん。
現代語訳
虎の巣穴に入らなければ、虎の子は得られない。
現在の計略としては、夜に鄯善の使者の宿営を火攻めにすることだけであり、使者にこちらの人数が少ないのを覚らせなければ、使者は必ず恐怖におののき、殲滅できる。
この使者を滅ぼせば鄯善は恐れおののき、我らは功績を挙げられるだろう。
これは班超(はんちょう)という中国後漢の軍人の言葉です。
鄯善というのは敵軍の名で、それを殲滅すべき作戦を立てているという場面なのです。
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四字熟語にするとどうなる?
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」を四字熟語に直すと
虎穴虎子
になります。
なんかちょっとカッコイイですね。
(*゜∀゜)=3
意味は、危険を冒さなければ、大きなことをやり遂げることはできないということ。
まったく「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と一緒ですよね。
というか縮めただけ、という感じがしますね。
(^^
また、同じ意味合いの四字熟語としては
風険投資
があります。
これはある程度の危険を覚悟したうえでの投資を意味しています。
「この企業は風険投資で投資を拡大し続ける」
というように使います。
類語
では次に「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の類語をみてみましょう。
危ない橋も一度は渡れ
安全な方策ばかりでは成功することはできないので、時には危険を冒してやってみるのも必要だ、という意味になります。
「虎穴」を「危ない橋」と言い換えていますが、教訓としては同じことをいっていますね。
石橋を叩いて渡るは有名ですが、橋を使ったこんなことわざもあったんですね~。
「石橋を叩いて渡る」の意味!どんな性格の人?類語や反対のことばも紹介
危ない所に登らねば熟柿は食えぬ
冒険を恐れては、名声や利益は得られないということを意味しています。
熟柿は柿の木の上の方に実るので、得るためには高い所まで登らなければならないことから転じてこの意味になりました。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の方はあまり名声や利益というニュアンスはありませんが、危険を恐れていては得るものがない、という根本の筋は一緒ですね。
反対語
では次に「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の反対語をみてみましょう。
開いた口へ牡丹餅
対した努力もせずに、思いがけない幸運が舞い込むという意味です。
危険な場所にも行かずに宝を得てしまったという意味なので「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の逆の意味と言えますね。
君子危うきに近寄らず
教養がある人は、自ら危ない場所には近付かないという意味です。
詳しくはこちらの記事にも書いていますので、ご参考くださいね。^^
君子危うきに近寄らずの意味!孔子の漢文ってホント?
同じ「危険」という言葉を使っているのに意味は逆ですね。
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まとめ
今回は「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の意味や使い方、元になった漢文を紹介しました。
危険を避けていては、大きな成功は有り得ないという意味でした!
中国後漢朝に書かれた書物なのでずいぶん昔の言葉ですが、でもこの教訓って現代でも通用しますよね。
行きたい大学に行くには辛くて大変な受験がありますし、良い企業に入るには怖~い面接に打ち勝たなければなりません。
危険な場所であっても怯まずにチャレンジしてみよう!
という心構えは大切にしたいものですね。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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