チョコレートは漢字で書くとどうなる?貯古齢糖・査古律など
「チョコレート」というと、誰もが知っている有名なものですよね。
そんなチョコレートを、漢字で書くとしたらどうなるのか、考えたことはありますか?
「カタカナ以外見たことなんてないし考えたこともない!」
なんて人も多いのではないでしょうか。
実際に漢字は存在するのでしょうか。
今回はそんなチョコレートの漢字の書き方について歴史と共にご紹介します。
目次
チョコレートの始まり
紀元前から、古代メキシコではカカオは「神様の食べ物」と言われ、高価なものとして扱われていました。
当時のチョコレートは、カカオ豆をすり潰したドロドロの飲み物で、とうもろこしの粉を加えたり、バニラやスパイスで香りをつけて飲んでいました。
それを「ショコラトル」と呼んでいたとのこと。
1519年。
メキシコに遠征した一人のスペイン人、フェルナンド・コルテス将軍が、皇帝にショコラトルをご馳走になり、その未知の味にびっくり。
1528年。
カカオとショコラトルをスペインへ持ち帰り、その後、砂糖などを加えた甘い飲み物としてヨーロッパ全土に広まっていきます。
スペインにカカオが伝わってから約300年後。
ショコラトルを飲みやすくする方法はないだろうかと考えたオランダ人のヴアン・ホーテン。
1828年。
カカオに含まれているココアバターを搾り取り、ココアパウダーを発明。
渋く、苦く、くどかったチョコレートの欠点を解決して一般大衆の飲み物としました。
このココアの発明が、現在のチョコレートにつながる重要なきっかけとなりました。
1847年。
イギリス人のジョセフ・フライは、カカオ豆をすり潰して砂糖を加えたものにココアバターを加え、今のチョコレートの原形を発明しました。
これが、「食べるチョコレート」の始まりです。
しかしこれはまだ苦味が強く、そこにミルクを加えてまろやかにしたのがスイス人のダニエル・ピーターでした。
1876年。
この年に誕生したミルクチョコは、甘く、口当たりが良いものとなり、その後さらに改良が重ねられて世界中に広まったのです。
そのチョコレートが日本に初めて伝わったのは18世紀末頃と言われており、当時は「しょくらとを」という名前だったとのこと。
チョコレートの漢字
さて、それでは次にチョコレートとを漢字で書いた場合にどうなるかをみていきましょう。
猪口齢糖
日本国内で初めてチョコレートが販売されたのは、明治10(1877)年とされており、この当時の新聞広告で、チョコレートは「新製猪口齢糖」と表示されていました。
これは、当時の世相、東京・両国若松町にあった米津風月堂(=現在の東京風月堂・店主米津松蔵)が、載せたものであるとされています。
また、新聞に表示されていたのは「猪口令糖」だったという説もあるようです。
貯古齡糖
この当て字は、明治時代の資料の中に記述されているものになります。
『日本チョコレート工業史』p.7には、
- 「明治11年12月24日の〔かな読〕同店の広告には、(中略)貯古齡糖、(中略)の項目を掲げている。」
との記述があるとのこと。
また、『チョコレートの本』p.99にも同様に、
- 「すでに明治十一年十二月二十四日の『かな読み新聞』には、“貯古齢糖”という風月堂の広告がみられる。」
と記述されています。
当て字として存在している漢字は他にもあるの?
当時は他にも、
「知古辣他」
「千代古令糖」
などの当て字もあったようです。
しかし、調べれば調べるほど当て字はたくさん存在しています。
などなど。
当て字とは言っても、食べ物に相応しくないような漢字も使われていることに驚いてしまいますね。
チョコレートをひらがなで書くと?
漢字についても色々ありましたが、平仮名だとどうでしょう。
「ちょこれえと」
「ちょこれいと」
どちらかな?と悩んでしまいませんか?
一般的には、外来語の長音を平仮名表記する場合、その前にある語の母音を使用するという決まりがあります。
例をあげると、
上記のように表記されるため、「チョコレート」=「ちょこれえと」が正しいということになります。
しかし、学校の指導によっては「ちょこれいと」と習ったという声もあるようなのです。
日本語って難しいですね‥
まとめ
お勉強のようになってしまいましたが、チョコレートの歴史はとても深いということがわかりましたね。
チョコレートを漢字表記するというのは現在滅多にないとは思いますが、日本に伝わってきたときの感動は、一体どのようなものだったのでしょう。
また、多くの当て字が存在していることがわかりましたが、あなたならどんな漢字を当てますか?
改めて考えてみるのも、面白いかも知れません。
今回は以上です。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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