多岐亡羊の意味とは?由来や漢文、書き下し文をチェック!
「多岐亡羊」
こんな四字熟語があります。
普段あまり聞かない言葉なので、
「初めて聞いた」
「っていうか、どう読むの?」
という人もいるかもしれませんね。
(^^;
「たきぼうよう」と読むのですが、
読みを聞いてもあまりピンときませんよね。
羊という漢字が入っているのは分かりますが、
羊がいなくなってしまったのでしょうか。
どんな意味をあらわしているのでしょうか。
由来や元になった話などあるのでしょうか。
と、いうことで!
今回は「多岐亡羊」の意味や使い方をまとめました。
分かりやすい解説を交えて紹介していきます。
(^^ゞ
多岐亡羊の意味
まずは、この言葉の基本的な意味からみていきましょう。
- 多岐亡羊の意味
学問の道が細分化しすぎて真理を得がたいということ。
いくつもの方針があるためにどれを選ぶべきか迷ってしまうということ。
主に学問を志す者が、道が多方面に分かれていて、どの道を目指せばいいのか分からなくなり迷ってしまうという状況において使う言葉ですね。
由来について
「多岐亡羊」は春秋戦国時代の書物である
「列子」
に由来する故事です。
どのような話が元になっているのか。
どんなストーリーなのか。
ちょっと気になりますよね。
次に漢文と書き下し文と解説を交えてみてきましょう。
漢文
大道以多岐亡羊。
學者以多方喪生。
書き下し文
大道(たいどう)は多岐を以て羊を亡い、学者は多方を以て生を喪う。
意味
中国戦国時代、羊が一匹逃げたので大勢で追いかけたのだが、分かれ道が多くて結局見失ってしまった。
その話を聞いた思想家である楊朱(ようしゅ)は「学問の道も同様だ」といって嘆いた。
解説
楊朱は逃げた羊を追いかけて道が分からなくなったという状況を、学問を志したが道が多く別れすぎていて何を目指したらいいのか分からなくなってしまった自分と重ね合わせたということですね。
(^-^)h
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類語
ではここで、「多岐亡羊」の類語をみてきましょう。
調べてみると「岐路亡羊(きろぼうよう)」や「亡羊の嘆(ぼうようのたん)」などがありました。
どちらも「多岐亡羊」と似ていますよね。
実はこの三つとも「列子」の書いた漢文である、
「大道以多岐亡羊。學者以多方喪生」
が元になっています。
どちらも、学問の道が細分化されているので真理に辿り着くことが難しい、という意味となります。
元はひとつの漢文であっても、いろいろなバリエーションのことわざができ、それが現代にまで残っているというのもまた面白いですよね。
英語に直した場合どうなる?
「多岐亡羊」を英語に直すとどうなるのでしょうか。
いくつか例文をみてみましょう。
- “Flee sheep.”
(羊が逃げる)
- “There are many crossroads.”
(分かれ道が多い)
でしょうか。
ちょっと意味が伝わらない気がしますよね。
ニュアンスを上手く伝えたいのであれば、
以下のように訳すこともできます。
- “In too much dispute truth is lost.”
(論じすぎると真理が見失われる)
- “embarras du choix.”
(選択に迷ってしまう)
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まとめ
今回は「多岐亡羊」の意味や使い方をまとめてみました。
学問の道が細分化しすぎて真理を得がたい、方針が多いために迷ってしまう、という意味でした!
牧場の近くにでも住んでいない限り、羊が逃げるのを追いかける、というのはあまりイメージしやすい状況ではありませんよね。
しかし、学問や研究において道が細分化され過ぎて、
「あれ?私って何がやりたいんだっけ?」
と迷ってしまうことってありますよね。
迷うというのは決して悪いことではありませんが、道を見失わないためにもしっかり自分のやりたいことや、進みたい道などは見据えておきたいものですね。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
タグ:四字熟語
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