庇を貸して母屋を取られるの意味とは?由来や具体的な事例もチェック
「庇を貸して母屋を取られる。」
乗っ取り事件があった時など、
このようないい方をすることがあります。
最近では洋風住宅も多いですし、おしゃれなデザイナーズマンションも流行っているので、
「庇(ひさし)」
と言われてもピンとこない人も多いのではないでしょうか。
(^^;
庇とは日除けや雨除け用の小型の屋根のことです。
それはそれとして、「庇を貸して母屋を取られる」とはどういう意味なのでしょうか。
貸すとか、取られるとかっていうのは、
どういった状況をあらわしているのでしょうか。
と、いうことで!
今回は「庇を貸して母屋を取られる」の意味や使い方についてまとめました。
言葉の由来や政治の世界などで起こる具体的な事例もみていきましょう。
庇を貸して母屋を取られるの意味
まずはこのことばの意味をみてみましょう。
- 庇を貸して母屋を取られるの意味
一部を貸したばっかりに、最後にはすべてを奪い取られてしまうこと。
恩を仇で返されることのたとえ。
なるほど。
やはり乗っ取りがあった時の表現のうちの一つのようです。
「庇(ひさし)」なんて言い方をするからには、
江戸時代あたりを彷彿とさせますが、どんなことが由来になっているのでしょうか。
由来について
「庇を貸して母屋を取られる」
これは、恩を仇で返されるような状況を意味します。
しかし、実際に庇を貸して母屋を取られたという経験のある人は少ないですよね。
(^^;
庇というのは玄関先や軒先についている日除け、雨除けの小さな屋根のこと。
で、母屋というのは家、本家を意味します。
このことわざにおける「庇」とは家の一部分を指し、
「母屋」は家の大部分を指しています。
そしてこんな話が元になっています。
- ある商人が店を経営していました。
そこへ別の商人が来て
「軒先のほんの狭い空間で良いから貸してくれないか?」
と言ってきました。
店の主人は、
「軒先程度の空間であれば貸しても問題ないか」
と思い了承しました。
しかし、軒先で開いた商売はどんどん繁盛してしまいます。
その勢いに押されて肝心の店の方の売り上げは落ちてきます。
軒先で商売をしている商人は、
「売り上げが良すぎて手狭になってきたから店の中の空間も貸してくれ」
と頼んできます。
売り上げが落ちてしまった店の主人は仕方なく了承します。
そんなことを繰り返しているうちに、後から来た商人に店ごと奪われてしまいましたとさ。
まさに最後はすべて奪い取られてしまい、
軒先を貸してやった恩を仇で返されるという状況をあらわしています。
個人経営などでもあるあるな話ではありますが、
会社経営の子会社と親会社の間でもありえそうな話ですよね。
(^^;
政治における具体的な事例
「庇を貸して母屋を取られる」
という状況は商店や会社経営以外にも見られ、
特に政治の世界ではこういった事例は多く見られます。
人気のある先輩の政治家に応援演説を頼み見事当選したのに、
数年後その人を陥れてまんまと自分がそのポジションに就任するような場合。
こんなケースの時に
「庇を貸して母屋を取られる」
がまさに当てはまります。
具体的な例を挙げると、先の第48回衆議院議員総選挙における希望の党と元民進党の議員たちの行動。
これはは非常に「庇を貸して母屋を取られる」の状況に似ています。
衆議院解散を受けて多くの民進党出身者は、
今度は希望の党から出馬することとなりました。
その際、目的意識をまとめるために政策協定書に署名を求められました。
これが所謂「踏み絵」であり、これに署名することが希望の党へ移る条件でした。
しかし、元民進党の面々と希望の党代表である小池百合子さんとでは安保法案に対する考え方に齟齬がありました。
希望の党としては安保法案に対し
その上で不断の見直しを行い現実的な安保政策を支持する。」
という考えです。
しかし、元民進党は安保法案を違憲とし強行採決に対して憤りを抱えている人が多数でした。
その結果、希望の党と元民進党の面々とでは連携が取れていないと言われることが多くなり、まとまりがなくぶれていると批判されることも多くなりました。
「希望の党は元民進党の面々に乗っ取られた」
という意見もあり、この状況は「庇を貸して母屋を取られる」に当てはまります。
この場合「庇を貸して」は希望の党からの出馬を意味し、「母屋を取られる」は希望の党本体を乗っ取ることや内部分裂を起こし人気を下げることを指します。
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まとめ
今回は「庇を貸して母屋を取られる」の意味や使い方について紹介しました。
善意で貸してくれたものを逆手に取り本体を奪ったり、
恩を仇で返すというのはなかなかに酷い状況ですよね。
しかしこれは、現実においてよくある話でもあります。
ポイントになるのは、お金や人気ですね。
善意で良くしてあげても、お金や人気が集まってくると、恩を忘れて親元のお店、会社、組織を乗っ取ってしまうのはあるあるな流れです。
なかなか世知辛い状況ではありますが、そんなことにならないよう、親元もリスク管理をしっかりしておきたいところではありますね。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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