残り物には福があると言うのはなぜ?類語や反対の意味のことわざも紹介
「残り物には福がある」
たくさんあった中で、ひとつ余ってしまったものに対して、
こんな言い方をすることがあります。
なぜ残り物には福があるのでしょうか。
悪いものだから残ったわけではないのでしょうか。
残ったものに対しての慈悲?
それともなにか別の根拠がある?
と、いうことで!
残り物には福があるといわれるようになった由来や語源、
また、どんなときに使う言葉なのかについてまとめました。
同じ意味で使う類語や、反対の意味のことわざもチェックしていきましょう!
「残り物には福がある」の意味
まずは、基本的な意味からみていきましょう。
- 残り物には福があるの意味
人が取り残した物の中には、思いがけない良いものや価値のあるものが残っているということのたとえ。
「良いものから順番に無くなっていくのが普通じゃないの?」
とおもわず考えてしまいますが、「残り物には福がある」は
順番が後になった人や、残り物を手にした人を慰めるときに使う言葉です。
また、我先に欲しいものを手にしようと争う人たちをいさめる場合に、
「残り物には福があるのだから焦って取ろうとするのは止めなさい」
という意図で使ったりします。
なぜ残り物には福がある?
「残り物には福がある」の語源は江戸時代の浄瑠璃である
伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)
の中の言葉だと言われています。
伊賀越道中双六というのは、天明3年(1783年)に大坂の劇場である
竹本座で初演された伊賀越の仇討ちを題材にした浄瑠璃です。
その劇中に、
という一文があり、それが「残り物には福がある」の語源となりました。
ここでいう余り茶とは茶筒などの底に残った茶のことや、飲み残しの茶のことです。
似た意味のことわざについて
では「残り物には福がある」と似た意味のことわざを紹介していきましょう。
- 余り茶に福あり
茶筒などに使い残した茶葉や茶碗などに飲み残した茶の中には、
思いがけず良いものがある。
このことから、残ったものというのは、
案外価値があるものだということをあらわしています。
- 余り物に福がある
ちょっと言いえたことばですね。
余ったものや、人が残したものの中には、
思いがけず良いものがあるという意味となります。
「残り物には福がある」と似ていますし、意味も同じです。
- 待てば海路の日和あり
焦らずに待っていれば幸運はそのうちにやってくるということのたとえ。
「残り物には福がある」の類語というと少し意味はズレますが、
焦って争う必要はないという意味では似ているともいえます。
- 急いては事を仕損じる
何事も焦ってやると失敗しがちなので、
急ぐときほど落ち着いて行動せよという戒めです。
「残り物」などの意味合いはありませんが、焦ったり急いだりしても
良いことがないという意味合いは「残り物には福がある」に通じますね。
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反対の意味のことわざ
では「残り物には福がある」と反対の意味のことわざもみていきましょう。
- 先んずれば人を制す
何事も人より先に行えば、有利な立場に立つことができるというたとえ。
最後の一つになるまでぼーっと待っているのではなく、
我先に行動した方が良いという意味となります。
- 先手は万手
機先を制することが、どんな手段より効果的だという意味。
最初に動くことがどんな手段よりも効果的という意味なので
「残り物には福がある」とは逆の意味で使えますね。
- 先手必勝
先手を取れば必ず勝てるという意味。
勝負ごとに使うことが多い言葉です。
「残り物には福がある」の対義語としてはジャストではないですが、
相手の出方を待ってしまうと負けてしまうという意味からは、
逆の教訓としてとらえられる言葉ですね。
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まとめ
今回は「残り物には福がある」の意味や使い方、
語源について紹介しました。
「残り物には福がある」のもとになっているのは、
「余り茶に福がある」
という浄瑠璃の一文です。
後の順番になった人への慰めの言葉としても使いますし、
争いをいさめる言葉としても使います。
しかし、
実際に余っていたものが一番価値のあるものだった。
ということもありますし、残り物を選んで成功した例もあります。
なので、必ずしも慰めの言葉になるとは限りません。
確かに、事を慌てて行ったり、
欲張ったりするといいことはないです。
「最期の一つでもいいやぁ。」
くらいのココロの余裕を持っておきたいものですね。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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