背に腹は代えられないとはどういう意味?語源や類語もチェック!
よく断腸の思いで、
「背に腹は代えられない」
なんて言い方をすることがありますよね。
でも、よく考えると、
「背中がお腹の代わりにならないなんて当たり前じゃん!」
って思いません?
(^^;
正確にはどのような意味なのでしょうか。
「腹には代えられない」
なんて言葉が入っていると
「え?切腹の話?」
なんて勘違いしてしまいますよね。
古くからあることわざというイメージがありますが、
どのような語源や由来があるのか気になります。
同じ意味で使われている類語などはあるのでしょうか。
と、いうことで!
今回はこのことわざの意味や使い方を改めてまとめてみました。
英語に直した言い方などもチェックしていきましょう!
背に腹は代えられないの意味
まずは、基本的な意味からチェックしていきましょう。
- 背に腹は代えられないの意味
他のどんなことを犠牲にしても大事を成すためには仕方がないということのたとえ。
背中というのは身体の中でも面積の多くを占める大切な場所。
その背中を守るためといっても、大切な内臓がたくさん詰まっているお腹を犠牲にすることはできない。
このことから転じて、大切なことのためには多少の損害はやむを得ないという意味になりました。
「背に腹は代えられぬ」
ともいいます。
語源について
腹は内臓が詰まっている大切な場所なので背中の代わりに犠牲にするわけにはいかない、というところからこのことわざが生まれたといわれています。
しかし、それ以外にも腹というのは自分をあらわし、背中というのは他人をあらわしているという説もあります。
つまり、
いくら大切な他人(背中)であっても一番大切な自分(お腹)に代えることはできない。
追い詰められた状況であれば他人を気遣う余裕がない。
このことから、「背に腹は代えられない」という言葉になったというのがもうひとつの説ですね。
また、代用が利かないという意味から「背に腹は替えられない」と書く場合もあるようです。
例文
背中を斬られるとか、腹を斬られるとか「いやいや、江戸時代じゃないんだから現代はそんな状況ないでしょ」と思っちゃいますよね。
ここでは、現代の状況でも使える「背に腹は代えられない」を紹介していきましょう。
- 例文 その1
「虎の子の一万円札であったが、今買わないとなくなってしまうというのだから背に腹は代えられない
- 例文 その2
「里に下りてきた猿を駆除するのは可哀想ではあるが、人に危害を加える可能性もある。背に腹は代えられないということで駆除が決定した」
このような使い方ができます。
ただ何かを犠牲にするという意味ではなく、それなりに大切なものがあり、しかしもっと大切なもののためには仕方がない、という場合に使います。
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類語
「背に腹は代えられない」と同じ意味で使われている類語にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、似ている意味のことわざを紹介します。
負うた子より抱いた子
子供というのはすべからく大切な存在ではあるが、母親は背中に負んぶをした子供よりも、抱いた子供を優先して大事にする、という意味となります。
大切な2つの存在を比較してより大切な方を取るというのは「背に腹は代えられない」と似ていますよね。
苦しい時は鼻をも削ぐ
人間というのは差し迫った危機がある時はどんなことでもする、手段を選ばないという意味のことわざです。
「鼻をも削ぐ」というのはすごいインパクトですよね。
でも「腹のためには背中を犠牲にする」と通じるものがありますね。
肉を切らせて骨を切る
自分自身も傷つく覚悟をして、相手により大きな打撃を与えることのたとえです。
類語とはちょっと違うかもしれませんが、大事を成すためには犠牲が付き物であるという精神は「背に腹は代えられない」と似ていますよね。
個人的にこの言い回しはちょっとカッコイイので好きです。^^
英語にすると?
次に、ちょっとこのことわざを英語に訳してみましょう。
「背に腹は代えられない」を英語に直すと、
“Not instead of belly to back.”
となります。
“belly to back”
は「背に腹は」で
“instead”
は「代わりにならない」なので直訳ですね。
これでも伝わらないことはありませんが、
同じ意味で使われている外国のことわざも紹介していきましょう。
- “Necessity has no law.”
(必要の前に法律はない)
- “Better the purse starve than the body.”
(胃の腑が空になるよりも財布が空になる方が良い)
- “Needs must when the devil drives.”
(悪魔に駆り立てられるとやらずにはいられない)
「背に腹は代えられない」と同じ意味でこのようなことわざが英語では使われているんですね~。
細かいニュアンスを伝えたい場合はこのようなことわざで伝えてみるのも良いでしょう。
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まとめ
今回は「背に腹は代えられない」の意味や使い方をまとめてみました。
背中は大切だけど、内臓が詰まっているお腹には代えられないというところからこのことわざになったのでした!
「背中を斬られても内臓に影響あるんじゃ・・・」
と思ってしまいますが、大切なものであっても、もっと大切なもののためには犠牲にするしかない、という意味なんですね~。
英語に直した言い方も色々ありました。
“Needs must when the devil drives.”
(悪魔に駆り立てられるとやらずにはいられない)
などは「流石外国のことわざ!」という感じがしてオシャレですよね。^^
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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