嘘も方便の由来と語源はどこから?具体例や対義語も紹介
「嘘も方便」
仕方なしに嘘をつく場合などに、
よく使われたりしますよね。
イメージ的には、嘘を肯定するような印象があります。
嘘をつくのはいけないことですよね。
そこに「方便」が付くと、
どのような意味になるのでしょうか。
「方便」だけだと、
あまり他では使わない言葉ですよね。
と、いうことで!
今回はこの「嘘も方便」具体的な使い方や、
言葉の由来や語源についてまとめました。
それではさっそくみていきましょう!
嘘も方便の意味
まずは、正式な意味からみていきましょう。
- 「嘘も方便」の意味
嘘をつくことは悪いことではあるけれど、
時と場合によっては嘘が必要なときもある。
と、このようになります。
嘘は良くないという前提の上で、しかし目的を遂げるためには嘘を吐くことも必要であるといった意味となり、私欲というよりは誰かのため、全体の目的のための嘘に対して用いることも多いですね。
由来と語源について
「嘘」は分かりますが「方便」とななんなのでせようか。
あまり使わない言葉ですよね~。
実は方便というのは仏教用語。
悟りへ近づく方法。
あるいは悟りに近づかせる方法のことです。
江戸時代にはすでに使われていた言葉であり「法華経」には
として載っています。
また「法華経」の譬喩品(ひゆぼん)には、
「三車火宅」という逸話があります。
- 三車火宅
とある老人の家が火事になったが、そのことに気が付かず、中では子供たちが夢中で遊んでいた。
子供たちを逃がしたい老人であったが「危ないから逃げなさい」と言っても夢中で遊ぶ子供たちは聞く耳を持たない。
そこで老人は「外にはお前達が欲しがっていた羊の車と鹿の車と牛の車があるよ」と嘘を吐き、無事子供たちを逃がした。
この逸話が「嘘も方便」の語源になったと言われています。
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具体例
嘘はいけないことですが、目的のため、
誰かのために嘘が必要なシチュエーションもある。
そんな、大人な対応をするのが「嘘の方便」となります。
では、具体的にどのような使い方をするのか。
例文を交えながらみてみましょう。
突然の火災や危険人物の侵入などで急遽、お店やビルを閉鎖したいとき、他のお客さんを避難させなくてはいけないが、正直に言うと混乱や更なるトラブルを招くので「空調の呼称のため、しばし閉めさせて頂きます」という嘘をつく場合。
この場合は、
「お客様の混乱を防ぐために、あえて嘘のアナウンスで避難を促す行為」
こんなシチュエーションだと「嘘も方便」といえますね。
友達が彼氏に振られてしまったけど、実は友達の彼氏と知り合いで、彼氏に他の彼女ができてしまったことを知っているけど、慰める必要がある場合。
「お互いの価値観が合わなかっただけで、今回は仕方ないよ」
と嘘をつく場合。
この場合、「明らかに友達の彼氏に新しい彼女がいる」ということをしっているけど、余計に傷つけないためにそこはかくして別れた理由を他の方向性で慰めています。
こんな場合、相手のことをおもんばかって「嘘も方便」と言えますね。
嘘も方便の対義語
では、ここで嘘も方便と反対のことわざについてみてみましょう。
「嘘も方便」の対義語というと、嘘を悪しきこと、悪への第一歩であるという意味合いだと「嘘つきは泥棒の始まり」があります。
しかし「嘘も方便」という言葉は、なにも嘘を素晴らしいことと認めているわけではなく、悪いことという前提の上で、それでも場合によっては必要なときもある、という意味の言葉。
なので「嘘つきは泥棒の始まり」が真逆の意味合いというわけではなく、良い嘘と悪い嘘という対比という意味で反対のことわざになります。
「嘘も方便」の同義語としては「嘘も誠も話の手管」ということわざもあります。
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まとめ
今回は「嘘も方便」の意味や使い方について紹介しました。
嘘も方便というのは、時と場合によっては嘘を吐くのも必要なときがある、という意味の言葉。
意味合いとしてはけっこう有名ですが、「方便」が仏教用語だというのは初めて知ったという人も多いのではないでしょうか。^^
状況的には「うっ、くるしい!しかし本当のことを伝えるわけにはいかない!」という切羽詰まった状態で嘘をつくことが多いですね。
優しい嘘も時には必要かもしれませんが、できれば嘘はつきたくないものですね。
大人って・・・大変です。
今回は以上です。
ご参考になりましたら幸いです。
(*゚ー゚*)ノ
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